情弱医学生の独り言

情弱医学生の頭の中。人生設計、お金、対人関係、日常などについて考えたことをつらつらと。

バイアスは事実を歪める

どーも、情弱医学生です。

 

バイアスは事実を歪めます。

 

「最高のメカニズムと厳密な整備点検のもとに飛行を行っているとはいえ、飛行機は人間が作り、人間が整備し、人間が操縦しているものであって、万能の神ではないから、何百回に一回、何千回に一回のミスや、不運が俺たち操縦者に付きまとっているともいえる。…そこでパイロットは、常日頃から、その不運とミスに直面したときの心構えというものをしっかり持っていなければならない。」

これは「大空のサムライ」(著 坂井 三郎)からの引用です。この本は戦時の飛行機乗りの自伝です。ここでは上官が不時着の心得について練習生を教育しています。不測の事態に備えるという態度が非常に合理的で、私は違和感を覚えました。というのも、戦時の飛行機乗りに特攻隊のイメージがあり、当時の上層部は状況を把握できておらず、非合理的な考え方をしていたと思っていたからです。しかし、実際は上官が練習生に丁寧な教育を施していたことが分かります。この箇所を読んで、私は戦争や特攻といったネガティブなイメージに引っ張られ、合理的な考え方をする人も存在したという事実を歪めていたことに気が付きました。

人は深く考えることを嫌う傾向があるので、白黒の方が好きです。しかし、物事で白黒はっきりするものは少なく、グレーであることが多いです。そのため、そのような態度では先の私のように事実が歪みます。更に都合の悪いことに、事実が歪みに気づくことは自力では困難です。感情的になると、その傾向が強くなることも私たちは知っておくべきでしょう。

 

バイアスは事実を歪めるのです。