情弱医学生の独り言

情弱医学生の頭の中。人生設計、お金、対人関係、日常などについて考えたことをつらつらと。

自分視点と他人視点について。

どーも、情弱医学生です。

今回は、自分視点と他人視点について。

 

とあるビジネス本を読んでいたら、「自分がほしいと思わないものは、他人も欲しがるわけがない」と書かれて、必ずしもそうではないと思いました。

ストーリー的には、経営再建の途中の社長が、自社のカタログをみて「自分がお金を払って買いたいと思える商品がない!」と衝撃を受け、自分がほしい商品を作る方針に転換して成功したというものでした。

商品を売ることにおいてゴールは、相手に買いたい!と思わせること。けれど、相手が買いたいものなんて、原理的に知りようがない。となると、商品開発のアプローチは2つあって、自分がほしい商品を作るか(自分視点)、相手がほしいと推定される商品を作るか(他者視点)。本での主張は、前者のアプローチが優れていると取れるけど、私はそうは思わない。それぞれ一長一短がある。

自分視点の強みは、リアルさ。自分がほしいかどうかは主観的で、妥協さえしなければその点においては間違えようがない。しかし、どれだけ自分がほしかろうと、相手がほしくなければ意味がない。

他者視点の強みは、自分視点と比較して、相手の志向にマッチしやすいということだ。しかし、前述のように完全に相手の志向を合わせるのは不可能だし、そもそも自分の趣味じゃない商品が出来上がったとき、相手に売り込めるのかという問題もある。

自分の好きなアプローチを取ればよいが、本質は自分と相手の感性のずれをどこまでなくせるか、というところだ。そうすれば、いずれのアプローチにせよ、ヒットする確率が高くなる。

そのためには、相手と同じような体験をするのが一番ではないかと思う。あるキャンピングメーカーの社長は、自身が1年間のうちに100日くらいは実際にキャンプをするそうだ。その社長がキャンプ中にほしいと思ったものならば、顧客であるキャンパーにも刺さりそうなものではないか。

 

〈追記〉

長年業界にいる経験知を沢山持っている経営者なら、良く分かっているはずだから、自分がほしい商品作る方針がよいのではないか、という意見を頂いた。長年業界にいることは、必ずしも相手の感性に響くものが分かることと相関があるわけではない。むしろ、業界の固定観念に縛られていることも考えられる。したがって、どのような立場の経営者であっても軽率に、自分の欲しい商品が完成したから売れるに違いないと慢心するのは危険である。