情弱医学生の独り言

情弱医学生の頭の中。人生設計、お金、対人関係、日常などについて考えたことをつらつらと。

健康診断について。

どーも、情弱医学生です。

今回は、健康診断について。

 

健康に関する本を読んでいて、健康診断で早期がんを見つけるのは難しい。体の断面を撮影するCT検査をお願いするべきという意見があった。健診で行うのは、肺がんに対するX線検査や、大腸がんに対する便潜血検査など。医師である著者によると、健診で引っかかって精査を受けたときには、既にがんが進行していることも少なくないそうです。

言われてみれば、私にも思い当たることがあります。実習でX線写真を見る機会がありますが、とても見にくいです。読影スキルの低い医師であれば、見逃して異常なしの結果が出る可能性もあると思ってます。逆にCT検査の結果は学生の自分でもわかるくらい見やすいです。

では、なぜ健診でCTを行わないのか。

まず、医療経済的な問題かなと思いました。一連のCT検査一回で約1万円かかります。50歳以上の方に受けてもらうとして、日本で約6000万人いるから、年間で6000億円。現在、年間医療費が40兆円くらいということと、がん早期発見で治療費が節約できることを考えるとやる価値はありそうですが…

と計算終わったあたりでふと気づきました。そもそもCTの数が足りるはずがないと。病院では普通の患者さんもいるので、健診の患者さんを受け入れるキャパシティーなどないのです。

事情は察せましたが、健診を定期的に受けていたのに手遅れだったという事例には、これから医師になる者としては、釈然としないです。将来、健診の結果を持ってきてもらっても、「この結果なら大丈夫ですね。」なんて言えないじゃないですか。「念のため、CT検査を受けてください。」が正解かもしれませんけど、みんなそれを言いだしたら、病院機能がパンクしてしまいます。

医療の世界には私がまだ知らない根深い問題がいろいろありそうです。

 

参考文献

統計局ホームページ/日本の統計 2019−第2章 人口・世帯

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